2019年2月にマキタからカプセル式掃除機用のHEPAフィルタ(品番A-68965)が別売りで発売されました。
HEPAフィルタとは空気清浄機にも使用されている捕集性能が非常に高いフィルタのことで、0.3~1μmまでの粉じんを99.97%キャッチすることが出来ます。
花粉症でおなじみの杉花粉の粒子の大きさは直径約30μmと言われていますので、それよりも細かい粒子をもキャッチでき、ダニの糞やカビの胞子、ハウスダストのほとんどをシャットアウトできる優秀なフィルタですね。
HEPAフィルタ装着の際は、HEPAフィルタの上に、高機能フィルタ、高機能フィルタEX、プレフィルタのいずれかを被せて使う形となります。
HEPAフィルタのメリット
HEPAフィルタをカプセル式掃除機に取り付ける事でどうなるのかと言うと、マキタカプセル式掃除機を買ったときに付いてくる標準付属の高機能フィルタや高機能フィルタ、フィルタでは、どうしても捕集できなかった粉じんを捕集できるようになりますので、排気が非常にクリーンになります!
排気がクリーンになるということは、粉じんが掃除機内部に入らないという事にもなりますので、掃除機の寿命も延びるはずです。HEPAフィルタはアレルギー持ちの方や掃除機を長く使いたい方におすすめのフィルタですね!
なお、HEPAフィルタは水洗い可能で汚れたら洗って乾かし、繰り返し使うことができますので、一度購入すればフィルタが痛んで性能が低下するまで使用することができます。
メーカーの取扱説明書によれば、HEPAフィルタは1~2ヶ月毎に水洗いすることを推奨しています。
●標準付属の高機能フィルタや高機能フィルタEX、フィルタなどで捕集しきれない粉じんをキャッチ
●排ガスがクリーンになるのでアレルギー持ちの方におすすめ
●HEPAフィルタは水洗いする事ができ、経済的
HEPAフィルタのデメリット
HEPAフィルタは高い捕集性を持つ反面、フィルタの目が非常に細かいとう特徴があります。
そのため通気性が損なわれ、圧力損失が起き、結果的に吸引力が少しだけ低下してしまうという弱点があります。
元々吸引力の高い機種でしたら、HEPAフィルタ装着による吸引力の低下はなかなか体感できないレベルかと思いますが、吸引力が弱い機種だと吸引力の低下は顕著となります。
その対策としてはHEPAフィルタの上に被せるフィルタを通気性が一番高くて圧力損失が少ない「プレフィルタ」にすることです。これでHEPAフィルタ装着による吸引力低下を最低限に抑えられます。
ただ、この組み合わせにすると、今度は通気性が高い分、HEPAフィルタが汚れやすくなりますので、HEPAフィルタの掃除頻度が増えるというデメリットもありますね。吸引力が低いマキタカプセル式掃除機を使用の方はどのフィルタを被せるか悩む所ですね。
●HEPAフィルタを装着すると圧力損失により吸引力が低下してしまう
●吸引力が低い掃除機には「プレフィルタ+HEPAフィルタ」の組み合わせがおすすめ
HEPAフィルタ取付け可能機種
HEPAフィルタを取り付ける事ができる掃除機は現在マキタのカタログに掲載されているカプセル式掃除機全てとなります。今回はCL281FDを使ってHEPAフィルタを取り付ける方法を紹介していきますが、取り付け方は他のカプセル式掃除機もほぼ同じとなります。
HEPAフィルタ取付け可能機種一覧 | |
---|---|
18V | CL280FD/CL281FD/CL180FD/CL181FD |
14.4V | CL140FD/CL141FD |
10.8V | CL106FD/CL108FD/CL100D/CL110DW |
7.2V | CL070D |
HEPAフィルタの取付け方
フィルタを取り外す
掃除機に付いている高機能フィルタEXを90度回し、取り外します。※機種により、高機能フィルタ、プレフィルタ+フィルタだったりしますが、外し方は同じです。
ステーをフィルタスポンジごと取り外す
掃除機に付いている骨組「ステー」を取り外します。ステー根元を指で押し、ツメから外す感じです。結構力が必要ですので、指で押すことが困難な場合は、ツメのところにマイナスドライバーを差し込み、テコの原理であおってやれば簡単に外せます。※機種によりフィルタスポンジが付いていないものもあります。
ステーを外す際は必ずステーの根元を押してください。ステーの真ん中辺りを押してしまうと、強度が弱く、ステーが折れる可能性が高いです。
HEPAフィルタ取付け面の掃除
HEPAフィルタを取り付けるところの面を綺麗に掃除します。この掃除機は新しいので汚れていませんが、使用中の掃除機の場合、ここの面は汚れています。ここが汚れたままの状態でHEPAフィルタを取り付けてしまうと、せっかくのフィルタリング性能を100%発揮できなくなりますので、取付け前に掃除しておいた方が良いですね。
HEPAフィルタをセットする
掃除したところにHEPAフィルタをしっかり押し込んでセットします。このとき、HEPAフィルタ根元の溝に、掃除機本体のツメ2箇所がしっかりはまっているか確認します。ここがしっかりはまっていないと、隙間から粉じんが掃除機内部に侵入してしまうので、必ず確認してください。
HEPAフィルタがしっかり掃除機にセットされていると、HEPAフィルタを引っ張っても簡単には外れません。弱い力で引っ張って簡単に外れるようだと、HEPAフィルタがしっかりセットされていない可能性があるので、その場合フィルタ根元の溝が、掃除機本体のツメに嵌っているか確認してください。
フィルタを被せる
高機能フィルタEXをHEPAフィルターに被せ、90度回して掃除機にセットします。これでめでたくHEPAフィルタの装着は完了となります。
フィルタを被せる前に、フィルタと掃除機の取付け部を固く絞った雑巾で綺麗にしておきましょう。
今回は高機能フィルタEXが装着されている機種で取り付け方を紹介しましたが、プレフィルタ、高機能フィルタ(フレーム構造なし)の場合もやり方はほとんど同じとなります。
被せるフィルタによる吸引力の違い
HEPAフィルタとその上に被せる3種類のフィルタ組み合わせにより、吸引力が変わります。吸引力が強い順に並べると以下の通りとなります。
「HEPAフィルタ+プレフィルタ」>「HEPAフィルタ+高機能フィルタEX」>「HEPAフィルタ+高機能フィルタ(フレーム構造なし)」
プレフィルタ装着時は通気性が良く吸引力損失が一番少ない反面、余計なゴミを通してしまい、HEPAフィルタが目詰まりし易く、お手入れの頻度が上がってしまう特徴があります。
「HEPAフィルタ+プレフィルタ」>「HEPAフィルタ+高機能フィルタ(フレーム構造なし)」>「HEPAフィルタ+高機能フィルタEX」
被せるフィルタで排気性能は変わる?
HEPAフィルタに被せるフィルタの違いによる排気性能の変化はあるのかというと、答えは「変化なし」のはずです。
なぜならHEPAフィルタで捕集できる粉じんの大きさは0.3~1μmで、高機能フィルタEX、高機能フィルタ、プレフィルタで捕集できる粉じんの大きさよりも細かいからです。
被せるフィルタはHEPAフィルタ程の捕集力は無く、捕集しきれなかった粉じんはHEPAフィルタへ到達しますが、HEPAフィルタで捕集できる粉じんの大きさは0.3~1μmと決まっていますからね!
なので、被せるフィルタによって変わってくるのは、HEPAフィルタへの粉じん到達率、つまり目詰まりのし易さだけですね。
被せたフィルタによって「フィルタの目」の大きさが異なるので、いかに最初の段階で粉じんをフィルタリングできるか?の違いしかないはずです。
とは言え、HEPAフィルタが目詰まりしてかなり汚れている状態で使い続けていると、HEPAフィルタの捕集性も落ち、排気もクリーンじゃなくなるので、HEPAフィルタのメンテは大事ですね。
被せるフィルタはどれを使っても捕集性は0.3~1μm以上にならないが、HEPAフィルタの汚れやすさは変わってくる。
HEPAフィルタのはずし方
HEPAフィルタを外す
HEPAフィルタの根元、掃除機のツメがかかっているところを指で押し、HEPAフィルタを倒すように取り外します。
ステー(フレーム)取付け面の掃除
ステー取付け面を固く絞った雑巾などで綺麗に掃除しておきます。
ステー(フレーム)をフィルタスポンジごと取り付ける
ステー根元の凹みを掃除側のツメ2箇所に合わせて押し込みます。パチンと音がすればステーの取り付けは問題ないはずです。※機種によりスポンジフィルタは無い場合もあります。
フィルタを被せる
使用するフィルタを掃除機に取り付け、カプセルを閉じれば今まで通りの掃除機となります。
フィルタ取付け面、フィルタ内側の根元が汚れている場合はあらかじめ固く絞った雑巾で綺麗に掃除しておきましょう。
動画版解説
HEPAフィルターの取り付けを記事で紹介すると結構難しいイメージがありますが、実際にやってみると、とても簡単です。実際にHEPAフィルターを掃除機に取り付けた際の動画がありますので、こちらも参考にしてみて下さい。
コメント